山は逃げる? 山は逃げない?




「山は逃げる」という言葉があります。


いつかあの山へと思っているうちに月日が過ぎ機会を失うものだ。
歳月は人を待たずである。
山登りは熱っぽく燃えている時が山も手招きし微笑む。

「人生のことはすべて山に学んだ」 海竜社 沢野ひとし著より



その一方で、「山は逃げない」と言う言葉もあります。

悪天候時や体調不良時など、当初の計画を変更・中止せざるを得なくなった状況に陥った時によく使われる言葉で、無理をして計画を遂行しなくても、山はいつまでもそのままの姿でいるからまた挑戦すれば良いというような意味で使われています。
ここ最近の山岳事故の多さを考えると、特に体力の落ちはじめた中高年の登山者や登山を始めたばかりの方は常に頭の片隅に置いておいて欲しい言葉です。



それはさておき、なぜこのようなことを急に思い立って書いたのか…



最近、メニエール病という病気を発症してしまい、大好きな山登りがいつまで出来ないのか、先が見えない状況にあります。


そのような状況に陥って最初に考えたのは、「山は逃げない」からまずはじっくりと治療していこうということです。


健康あってこそ、大好きなお山に登ることができると半ば自分に言い聞かせた感じでもありました。



しかし、時間が経過するにつれて、「山は逃げる」という言葉の重みを感じ始めています。
じっくりと時間をかけて、色々な山へチャレンジしていこうと思っていた矢先の病気の発症であったため、その言葉の重みはズシリと重く…


メニエール病での注意事項として、医師より説明を受けたことの一つとして

「軽い運動は大いに結構。しかしメニエール病は気圧の変化に敏感な病気だから、スキューバダイビングや登山など、気圧が変化するようなスポーツは注意が必要だよ。病状が落ち着くまでは、当面は禁止だね」との私にとっては非情な説明でした。


気圧の変化に敏感な病気ということは、今後の治療の状況にもよりますが、これから数年、もしくは一生、高山の雄大な景色や登頂の達成感は二度と味わえないのかもしれないということです。


そう考えると、健康で体力が衰えていないうちにどんどんチャレンジしていくべきだったと今更ながらに思います。


でも、今を嘆いていても仕方ありません。


今日を境に気持ちを切り替えていきます。


まずは「山は逃げない」を胸にしっかりと治療を行うこと。

そしてお山禁止令が解かれた時は、「山は逃げる」を意識して、体力と相談しながら長く登山を続けていきたいと思っています。

そこに登山の面白さがあると信じて…



最後に「超訳 ニーチェの言葉」より

いつかは死ぬのだから

死ぬのは決まっているのだから、ほがらかにやっていこう。
いつかは終わるのだから、全力で向かっていこう。
時間は限られているのだから、チャンスはいつも今だ。
嘆きわめくことなんか、オペラの役者にまかせておけ。

ぽっくん Ownd

登山大好き! その後の温泉やその土地の美味しいものを食べながら飲むビール♪ それだけで心と体が癒されます。

0コメント

  • 1000 / 1000